スパッタ法による成膜技術において、基板の位置する真空槽とプラズマスパッタ源とを独立して構成することができれば、操作(作業)性・保全性を含めて自由度と応用性の高いシステムを構成することが出来ます。そのため、当社のNFTS装置ではプラズマ源を真空槽と分離することができる箱型プラズマ源を開発致しました。
この箱型プラズマ源は、磁場を形成する磁石をターゲット外縁部に配置するだけではなく、箱型プラズマ源の空間には電磁界を調整するためのスペースを真空槽とは分離、或いは連携して有効活用できる構造となっており、様々なターゲット材料、成膜目的において最適な電磁界を形成することが出来ます。さらに、箱型プラズマ源の構造は箱型の金属フレームにターゲットを外部からボルトで固定する方法を取ることで、ターゲット交換等の作業をより容易に行えるようになっています。
また、プラズマ源においてターゲット材料を目的とする基板上だけに効率良く堆積することが理想的です。そのため、箱型プラズマ源ではプラズマを構成する6面のうち真空槽と接続する開口部を除く5面を全てターゲットとしたカソードを可能に出来る構造となっています(大型機のみ)さらに、箱型プラズマ源の開口部から飛散するスパッタ粒子を真空槽に設けた基板に効率良く堆積する機構の工夫は容易であり、また箱型空間でスパッタ面以外の空間にコンタミ集積機構を設けることで、作業性や安全性に優れたプラズマ源となっています。
これらの特徴を有する箱型プラズマ源ですが、お客様のニーズにお答えするため各種基板サイズ、成膜方法に対応する箱型プラズマ源を開発致しました。以下に、各種プラズマ源の特徴と外観写真を記載致しますのでご覧ください。
材料開発など小型基板を用いた基礎研究に最適な小型タイプ。
研究開発からセミ生産段階における中型タイプ。
基板静止状態で8~12インチ基板に均一な成膜が可能。
分割ターゲットを組み合わせた大型基板対応タイプ。